【旧キット/1/100/ガンダム】1/100 ドムのレビュー【1980年/11月】

【機体概要】MS-09 ドム

登場作品:TVアニメ「機動戦士ガンダム」

ツィマッド社が開発したジオン軍のモビルスーツ。脚部に熱核ジェットエンジンと科学ロケットを搭載し、ホバークラフト走行が可能。重装甲の外観からは想像もつかないほどの機動性を持つ。
ザクマシンガンの数十倍の威力を持つバズーカ「ジャイアントバズ」、白熱化で溶断して対象を破壊する「ヒートサーベル
」を武装に備え、ホバークラフトの機動性と相まって高い戦闘力を発揮する。
ガイア・マッシュ・オルテガからなる優秀なパイロットチーム「黒い三連星」が搭乗し、チームワークを活かした「ジェットストリームアタック」でガンダムの撃墜を狙った。

1/100 MS-09 ドム (機動戦士ガンダム)


①旧キット 1/100 ドムの全付属品

外箱・パッケージアート

1 パッケージアート

パッケージアート
緑糸のオーラのような背景に、仁王立ち気味のドムが描かれています。

左下には「黒い三連星」のうちの一人ガイア。歴戦の風格を感じさせる太い体格をしています。

ドムの作中でのヒートサーベルの刃部分の色は薄青と黄色があり、パッケージでは薄青ですが、塗装図や組立説明書では黄色です。

2 パッケージ左面
パッケージ左面
塗装の参考例やどんな出来上がりになるかの想像がつくように、塗装済みの状態でポーズを取るドムの写真が載っています。
3 パッケージ右面
パッケージ右面
ドムに関連するMSが載っています。友軍のジオン軍のMS3つと憎きガンダムの計4機です。
4 パッケージ天面・底面
パッケージ天面・底面
パッケージの上下は、上下共通のデザインです。

ブランド名やドムの謳い文句、MS名が書いてあります。

組立説明書

5 組立説明書

6 組立説明書2

SD/HGの折り畳みリーフレット形式と同じく、2つ折りリーフレットに組み立て説明図が両面印刷されています。
現代の組立説明書でお馴染みの読み物、作品の紹介や機体・パイロットの解説はありません

また、同時期に展開されているB.M.C(ベストメカコレクション)と違い
モノクロ
塗装図が無い
お値段もスケールもB.M.C 以上ですが、組立説明書は完全に下位互換となっています。

 

1/100はサイズが大きいので、プラスチックの量や設計の方にコストを回して、組立説明書に回す予算は最低限にしたのだと思われます

現代のガンプラは
サイズが大きいキット=値段が高い=組立説明書がカラーで読み物が沢山ついて豪華
なので、現代のガンプラとはブランドの仕様が異なっています。

 

7 色指定

塗装図がない代わりに、組み立て説明図のパーツに色指定が書かれています。

全ランナー3枚

8 全ランナー

全ランナーは3枚です。
1/144スケールが主なB.M.Cの主なランナー数が2枚なので、ちょっと豪華になりました。
どこを作るにも大味なモナカ割りが基本で、関節部の機構も円形の軸に円形の穴が開いたパーツをはめ込む、素朴な作りになっているので少ないパーツで済みます
1/144スケールでもこれくらいのランナー数・パーツ数で組み立てられます。

ランナータグの部分が空白で、スケールと機体名が書いてありませんでした。仕様が統一されていないのがいかにも最初という感じがします。

 

「1/100 ガンダム」と同じく、ランナーの成形色は2色となっています。
同じ時期に、主に1/144スケールで展開されている「B.M.C(ベストメカコレクション)」は1色だけなので、やはり2色あるだけでもかなり色分けと彩りが再現出来ることが分かります。

 

9 パーツの大きさ

10 パーツの大きさ2

頭部から腰部アーマーまでがモナカ割りの1パーツで、ドムは脚部のボリュームが満点の機体なのでパーツの大きさが半端ないです。
ジオング、デンドロビウム、艦船系などの、規格外ド級MSや大きいサイズになる前提の機体を除けば、かなり大きい方ですね。

昔のキットでパーツ数は多くありませんが、組み上がりサイズがかなり大きいので、作った満足感がガッツリ得られます
「1/100 ドム」はサクサク組めて作った甲斐がある、時間が無い人に嬉しいキットです!

 

11 ゲート

パーツが大きい分ゲートが太く、一番太い所では2mmほどあってニッパーへの負担が大きいです。
使い古しのニッパーや太いゲート専用の安いニッパーを使って切り取ると、ニッパーが長持ちして安心です。

本体と付属品

12 全付属品

  1. 1/100 ドム本体
  2. ヒートサーベル×1本
  3. ジャイアントバズ×1挺

本体に加え、ザクマシンガンジャイアントバズが付属。

作中のドムの武装はヒートサーベルとジャイアントバズのみなので、武装が完璧に再現されています!

②実際に組み立てて作ってみる

腕・脚・全身の内部構造

13 腕の内部構造
肩・上腕・前腕から出来た、腕の内部構造。

14 脚の内部構造
 もも・下腿・足から出来た脚の内部構造。

15 全身の内部構造

 前後に大胆なモナカ割りが施された上半身全体に、四肢を接続して全身が完成。
両脚と上半身の接続は、太ももの付け根の間にある軸穴を上半身下部の軸にはめて行います。

16 肩関節の機構
 肩関節は、片側の軸がカクカクと平らになったクラッチ構造です。
「1/100 ガンダム」より保持力が高く、しっかりカクカクと決まった位置で止まってくれます。

腕・脚・全身、どこの内部構造を見ても、円形の部分に出っ張りをひっかけたり、軸穴に軸をはめ込んで接続するシンプルな機構で出来ています。

 

現代のガンプラの関節素材でおなじみのポリキャップABSは使われていません。
ポリキャップは粘りがあり、ABSは硬さに優れているので、剛性を保ったり摩擦への耐性が必要な関節部分には必ず使われています。

昔のキットならではのルツルのプラスチックがむき出しの関節はヘタるのが非常に早く、いずれの関節も10回程度までしか保持力が持たないと思った方がいいです。
カッコいいポーズを決めて飾りたい時は、決め打ちでポージングさせるとよいでしょう。

 

また、昔のキットなので接着剤不要のスナップフィットは無く、すべての工程で接着剤を使って組み立てます。
作る時はプラモデル用接着剤を忘れずに購入しましょう。

接着剤を塗る時間の分だけ今のキットよりも時間がかかりますが、パーツ自体が多くないのでキットを組立時間は2~3時間程度で済みます。
有機溶剤が入っているので、寒い冬でも「冷たい外気が入ってきちゃうし……」と横着せずに換気しましょう! 安全第一です!

③旧キット 1/100 ドムの造形

17 前全身

1/100スケールで全長は約19.5cmです。
作中よりもやや細身ですが、ドム特有のどっしりとした重厚な体格がしっかりと再現されています。

18 斜め前

右横。全身にジオンのMSらしい丸みがあります。一つ一つのパーツが大きなデザインは、力士のような頼もしい貫禄を感じさせます。

19 顔

ドム特有の十字の顔もバッチリ。モノアイは0.5mm程度の丸いモールドで形成。
上半身全体が、前後に分割された一つのパーツで出来ているため、可動はしません。

20 胴体部分

胴体部分。これといったモールドもない非常にシンプルな造形です。
スッキリしすぎているほどの見た目だからこそ、一つ一つのパーツの大きさや力強さがダイレクトに伝わってきます。
旧キットならではの良い所ですね!

21 胴体部分2
中央の四角いモールドや、胸部拡散ビーム砲のモールドもしっかり入っています。

22 脚

ホバークラフトを備える、ドムで一番の横幅を誇る脚部分。膝と足の黒いパーツは別付けのおかげで、しっかりとエッジが立っています。

下腿の合わせ目は大人の力で全力で押さえつけても閉じなかったので、もとから精度が甘いか、金型の損耗が原因でパーツがゆがんでいるのかもしれません。
加工する時は、パテなどで埋めるのが必須ですね。

23 横

腰回りの紫色のパーツは別パーツなので、厚みが出ていて存在感があります。まるで回しのようにも見え、本当に力士のようです。スモーという名前のMSは∀の専売特許ですけども!

後ろ

24 後ろ

なんともたくましい、広い背中をお持ちです。
ヒートサーベルは背中のパーツにマウント可能。2対のバーニアも、別パーツにすることで立体感や円形が再現されています。

25 足の裏

「1/100 ガンダム」と同じく、足の裏のパーツは左右に分割された足首に接着剤で貼り合わせます。
ガンダムでは精度がかなり甘く隙間だらけでしたが、ドムはピッタリと足首にくっついています。
ガンダムが7月の発売でドムが11月の発売です。進化してる……!!

④旧キット 1/100 ドムの色分け

26 色分け

成形色の2色で補える部分全てが色分け出来ている箇所です。
成形色はやや暗い薄紫です。
現代のアクションフィギュアやガンプラのドムで見るのと変わらない、ドムらしい色合いをしています。

  1. 顔の十字部分・肩の装甲&腰部装甲の裏・ジャイアントバズのスコープの赤
  2. 胴体・ヒートサーベル持ち手・ジャイアントバズの灰色
  3. 胸部拡散ビーム砲の円周部分の青
  4. 胸部拡散ビーム砲の内部・ヒートサーベル刃の黄色
  5. モノアイのピンク

成形色の2色で足りずに色数は多少かかりますが、大部分で基調となる黒と紫の部分は成形色で済みます。

ガンダムでは数か所の赤色しか再現されておらず、アンテナやバックパックなどの必要ない部分にまで赤色が侵食していました。
腰回りの紫色のパーツ、膝と足の黒いパーツがきちんと別パーツで、色分けがされているのが素晴らしいです。
ガンダムと同じ2色の成形色ですが、4か月の間にかなり進化しています。


⑤可動範囲

肩・腕・手

27 肩の可動

水平よりやや上まで上がります。人間の骨と筋肉のような、自然なしなりがいい味出してます。

28 肘の可動

肘は90度曲げられます。

29 肩の可動2

軸にはめ込む機構なので、肩は360度回転します。

30 上腕

肩の装甲と上腕が別パーツなので、上腕から先が360度回転します。

股関節・膝・足

31 股関節の可動

股関節。前後にある程度しっかり動きます。
32 股関節の可動2
腰部アーマーの大きさによる隙間のおかげで、前後に動かすことが出来ます。
33 股関節の可動3
股関節から、左右に少し傾けられます、腰部アーマーの大きさによる隙間のおかげで、前後に動かすことが出来ます。

34 膝の可動

下腿の装甲の後ろが膝に干渉するまで、膝は少しだけ曲がります。

 

股関節の可動範囲が出来て、前後左右に動くのが「1/100 ガンダム」から進化しています!

機構が完全に「B.M.C」と同じなので、「B.M.C」での技術が別のブランドへ導入されています。
PG→MG→RGへと、最先端の技術が導入されていった歴史に通ずるものがありますね~。

ガンダムの1/100が7月、ドムが11月で、4か月の短い間でも工夫や進化が見られます。よりよいものをお届けしようというバンダイの心意気!
これから数十年のうちにもっと進化していくと思うと、オラ、ワクワクすっぞ!

⑥武器・シールドなどの武装

ヒートサーベル

35 ヒートサーベル

これまたガンダムの先端が細くならない千歳飴ビームサーベルと違い、先端が細くなっています! 先端に向かうにつれ細くなるだけで、剣としての格好よさが段違いです!
鍔の部分のミゾは、シャープな長方形の四角に彫られています。

ジャイアントバズ

36 ジャイアントバズ
右手と一体成型になったジャイアントバズ。手と一体だとポロリが起こりづらいので、これは嬉しい仕様です。

⑦レッツポージング!

37 パッケージのポーズ

38 パッケージのポーズ2

39 パッケージのポーズ3

40 パッケージのポーズ4

41 パッケージのポーズ5
パッケージにあるポーズ。肩と上腕の回転、股関節の可動があると、四肢の根元から可動が出来るので多彩なポーズが取れます。
ヒートサーベルを両手で持って上段に移す動作も難なく行えました。40年前のキットでも、思ったよりも可動範囲は広いんです!

1/100サイズのドムは両手には収まりきらないボリュームなので、存在感が凄まじいです。
トイストーリーみたいにこのドムが動いたとしたら、とても勝てる気がしません(笑)

43 ポージング2

42 ポージング

肩周りの可動が優秀なので、背部にマウントしたヒートサーベルを持つことが出来るんです!!! すっごい!!!!
ガンダムに切りかかる寸前のドムの再現とか出来ます! やるな!!!

「1/100 ガンダム」になかった上腕の回転と90度曲がる肘があるだけで、こんなにポージングが広がる!

44 ポージング3

45 ポージング4
ヒートサーベルで切りかかるドム。
膝の可動自体は狭いですが、股関節から前後に動くので走りこむようなポーズが出来ます。

46 ポージング5
重心をうまくとれば、足先とかかとだけで立たせることも出来ます。
横幅の太さが防具をつけた時のマッシブさに似ていて、剣道のようなポーズがよく似合います。

 


ジャイアントバズの弾倉部分は、腕を曲げればギリギリでぶつからずにポーズが取れます。


両手で持つと、腕の可動範囲の都合で手がほぼ定位置に来て、砲口は必ず左側を向きます。
作中の設定を再現出来るのは嬉しいですが、目線が合わないとちょっと不格好ですね。


片手で持たせて砲口と目線を合わせると、こんなに格好よくなります!

ジェットストリームアタックを食らって、こんな巨大なMSと砲口が迫ってきても勇敢に立ち向かうアムロはホント強いですね。


上方に撃っても、格好いい。
黒と紫だけの色合いも、塗装途中といった風合いで良いですね。シックです。


51 &ガンダム

全長はガンダムとほぼ同じですが、横幅の違いで全く大きさが異なっています。ドムは重厚、ガンダムはスタイリッシュです。


「うおっ、避けた!? 俺の狙いを!?」

52 &ガンダム2

53 &ガンダム3

「しまった、ホワイトベースに! ……うっ!」

「こいつ……来るのかっ!?」

54 &ガンダム4

 

55 &ガンダム5

「うわあああ!」

「いくぞぉ、もう一度ジェットストリームアタックだ!」

「あああ、俺を踏み台にしたぁ!?」

56 &ガンダム6

”ガキイイイィィン!!!!!”

 


第24話の一幕より。
ホワイトベースとミデアを守りながら、機転と発想で3対1の戦闘をなんとか受け流すアムロ。
初見のドムを相手にしながらも、対等に渡り合えるアムロの戦闘のセンスが光る回です。

⑧旧キット 1/100 ドムの総評

最後
隣に置いた定規から大きさが分かります。お部屋に1機あるだけで、存在感が半端ないです。

 

世界で初めてのドムのガンプラ、いかがでしたでしょうか。おなじみのザクやガンキャノンに水を開け、早くも1/100で初登場です。

肩と上腕と360度回転により腕の可動範囲が良好、背部にマウントしたヒートサーベルをバッチリ持てる
2色の成形色で、そこそこ適度にパーツごとに色分けされている
「B.M.C」での技術を「1/100」に導入。前回の「1/100ガンダム」よりも腕と脚の可動範囲が大きく増える
出来上がったサイズが大きく存在感があるので、作った満足感がある

可動範囲は今のキットよりも狭いですが、動いてほしい部分はきちんと動くので、アクロバティックすぎるポーズでなければ十分イケます。
前腕が回転すると腕が外側に向けられるので、腕の自由度が高いのは評価ポイントがホントに高いです。
そのお陰でマウントしたヒートサーベルが引き抜けます。あるとないとでは大違いです。

胴体や脚の、色が違う部分が別パーツで色分けがされているのも素晴らしいです。成形色が一色の「B.M.C」や、前回の「1/100 ガンダム」と比べて明らかに進化しています。

 

接着剤で全てのパーツをくっつける
上半身が一体成型なので、首が動かない
首が動かないのは、お値段と、プラスチック量や設計の細かさなどの兼ね合いがあるので仕方がありません。
ジャイアントバズは片手で持たせて正面向きにすると、目線と合って格好よく飾れます。
首が動くほどの大規模な改修が出来れば、上級者ガンプラビルダーの仲間入りです! スキルを伸ばしたい方は挑戦してみてください!

 

関節がすぐヘタる
「1/100 ドム」に限らず、関節部のヘタり対策が取られていない昔のキット全てに付きまとう問題です。
モナカ割りでパーツも細かくないので重量自体は軽いのですが、それでも1/100スケールの重さなので、ヘタり対策が取られていない足首部分に負担がかかると、すぐにヘタります。
足の裏が広く接地力があるのでポージングにはあまり困らないものの、このドムも撮影中にすでに足首がヘロヘロでした。


少しでも関節の寿命を延ばしたいなら、自分での改修が必須です。
軸を瞬間接着剤テープボンドなどで太らせれば、太くなった分だけ摩擦での削れに強くなります。
ちょっとした簡単な改修なので、念のためでもやっておいて損はないです。


「1/100」ブランドでひとつ前に発売された「1/100 ガンダム」と可動範囲やポージングの自由度を比べてみると、非常に面白いです。
4か月という短期間でも、よりよいガンプラを作ろうという気概がしっかりとキットに表れています。

当時の作中のデザインを再現しているのでモールドなどが少ないですが、その分シルエットやパーツの大きさが引き立っています。
特に上半身の可動範囲が良好で、激しいポーズでなければ大体のポーズが取れるので、格好よく飾れます。
ドム好きはもちろん、重厚なデザインのMSが好きな人にオススメできる一品です!