【旧キット/1/100/ガンダム】1/100 ガンダムのレビュー【1980年/7月】

【機体概要】RX-78 ガンダム

登場作品:TVアニメ「機動戦士ガンダム」

起死回生を狙った地球連邦軍の「V作戦」で極秘裏に製造されたモビルスーツ。
ビームサーベルとビームライフルに代表されるビーム系武器をを史上初めて武装として搭載し、ビームライフルは戦艦並みの凄まじい破壊力を誇る。
パイロットのアムロ・レイの類稀なる素質とガンダムの高性能さが組み合わさった勇壮な活躍は、地球連邦軍と仲間たちの危機を幾度も救った。


①旧キット 1/100 ガンダムの全付属品

外箱・パッケージアート

1 パッケージアート

パッケージアート
青いエネルギーが湧き出てくるような黒い背景に、
ハイパーバズーカを構えたガンダムが立っています。シックで格好いいです!
シールドの十字が真っ平なのが、今の設定と違っていて面白いです。


「1/100 ガンダム」は発売から数ロット分、1年程度の間に生産されたの初期版は、シールドに十字の出っ張りが無く、十字のデカールを貼って十字を再現していました
(余談ですが、フロントアーマーのV字、黄色い四角形もです)
キットは改良されて出っ張りになりましたが、絵はそのまま真っ平らな状態で残っています
もし十字をデカールで再現する初期版を手にした人は、相当な幸運の持ち主です!

 

パッケージア左面
どんな出来上がりになるかの想像がつくように、塗装済みの状態でポーズを取るガンダムの写真が載っています。
各武装とコアファイターなどの付属品も塗装済みで載っています。軽い説明付きでキットの内容がよく分かります。
パッケージ右面
ガンダムに関連するMSと戦艦が載っています。ホワイトベースとシャア専用ザクは外せません!

 

パッケージ天面・底面
パッケージアートの上下は、上下共通のデザインです。

ブランド名や機体番号、スケールが一目で把握出来るようになっています。
1/100で少し高級感があるからか、黒い背景でシックなのが印象に残るパッケージです。

組立説明書

4 組立説明書1

5 組立説明書2

SD/HGの折り畳みリーフレット形式と同じく、2つ折りリーフレットに組み立て説明図が両面印刷されています。
現代の組立説明書でお馴染みの読み物、作品の紹介や機体・パイロットの解説はありません

また、「B.M.C 1/144 ガンダム」と違い
モノクロ
塗装図が無い
お値段もスケールも「B.M.C 1/144 ガンダム」以上ですが、組立説明書は完全に下位互換となっています。

 

1/100はサイズが大きいので、プラスチックの量や設計の方にコストを回して、組立説明書に回す予算は最低限にしたのだと思われます

現代のガンプラは
サイズが大きいキット=値段が高い=組立説明書がカラーで読み物が沢山ついて豪華
なので現代のガンプラとは定石が随分違います。

大切なのは組立説明書ではなく、キットそのものといったところでしょうか。
組立説明書まで含めて1つのキットを楽しめる「ガンプラというエンタメ」になるまでは、まだまだ時間がかかりそうです。

 

6 組立説明書3

塗装図がない代わりに、組み立て説明図のパーツに色指定が書かれています。

カラーチャートが無い上に塗装図もないので、

パッケージ左右の塗装されたガンダムからどこにどの色を塗るか判断する
色の名前から自力で色を推測して調色する
TVアニメを実際に視聴しながら、どこがどの色だった確認する

強者仕様となっています。

全ランナー4枚&スプリングとシール

7 全ランナー

全ランナーは4枚です。
SDと同じくらいのランナー数になっています。現代の1/100スケールのガンプラよりも少ないです。

 

「B.M.C 1/144 ガンダム」と違い、最初のガンプラですが最低限の赤色がついています!!
赤一色ではありますが「塗装をしなくても作中の色を再現出来るようにしたい」という思いが伝わってきます。

RGやPGでの塗装をしなくてもほとんどの色分けが済んでいるか、キットによっては完全に色分けが済んでいる驚異の色分けの歴史はここから始まりました!

 

8 スプリングとシール

スプリングとシールです。
スプリングは「1/100 ガンダム」オリジナル武器の「ロケット砲」の弾丸発射ギミックに使います。

シールはシールドのスコープをふさぐ為に貼ります。色分けのためのシールではなく、ディテールや模様のためのデカールでもありません
作中で青緑色の何かでシールドのスコープがふさがれていることは無かったので、存在理由が謎過ぎます。

 

9 ランナータグ

ランナータグです。ランナー数が少ないので「A「B」といった英字でランナーを細かく分ける必要が無く、スケールとMS名だけが書かれています。

本体と付属品

10 前付属品

  1. 1/100 ガンダム本体
  2. ビームサーベル×2本
  3. ビームライフル
  4. ハイパーバズーカ×1挺 弾丸×1個
  5. ロケット砲 弾丸×2個(「1/100 ガンダム」オリジナル武器)
  6. シールド
  7. コアファイター
  8. 差し替え用パーツ

本体に加え、ビームサーベルビームライフルハイパーバズーカシールドのガンダムの基本的な武装が付属。
付属していないのは登場機会が少なかったハンマージャベリンナパームくらいです。
大体の戦闘ポーズ・戦闘シーンが再現出来ます。

コアファイターが本体から離れて独立しているのが嬉しいですね!
もちろん変形・合体可能なので、ガンダムのギミックをしっかりと再現出来ているキットです!

 

コアファイターを本体から取り外した時に上半身と下半身をつなげる差し替え用パーツがついています。
コアファイターとガンダムを同時に飾れるように配慮が行き届いています。偉い!

 

その他、「1/100 ガンダム」オリジナル武器の「ロケット砲」が付属しています。
なんとこの「ロケット砲」は弾丸が発射可能です!

作中に登場しなかった設定だけある武器が付属するのはガンプラによくありますが、全く作中に出ていない武器をプラモデルに勝手につけてしまうの現代のガンプラにはありません

こういう発射ギミックは80年代に人気があったようなので、作中のガンダム像をスルーしてでもおもちゃ的な遊べるギミックを入れ込む辺り、発売当時の自由な気風が感じられます。

②実際に組み立てて作ってみる

輪ゴムは使わなくても作れる

11 輪ゴム

 

組み立て説明図のそこかしこに「輪ゴムでとめる」と書いてありますが、実際は輪ゴムで留めなくても作れます。


輪ゴムで留めるのは、
接着剤を塗った後にギュッっと押さえないとパーツがくっつかないから
ですが、現代のプラモデル用接着剤は優秀なので、ずっと輪ゴムで押さえつけなくても接着
出来ます

 

大人より力が弱い子供が作った時に、輪ゴムの力で押さえられるようにする
昔の接着剤は今よりも品質的にくっつきづらかった
ので輪ゴムで留めるように書いてあります。

もちろん、
手の力に自信が無い人
自分で押さえるのが面倒くさい人
手を怪我してしまっているけどガンプラを作りたい人
は輪ゴムで留めて押さえつけながら作ると快適に作れます!

作る時に少し手間取る箇所がある

12 ピン

5セクションで胸部に「」「両腕」「59」をはめ込む時は、部品を下から覗いて「59」の4つのピンと胸部の4つのピン穴を確認しながらはめ込むと作りやすかったです。

スナップフィットではないので、はめ込むのに悪戦苦闘していると接着剤が乾いてしまって、接着剤を塗るところからやり直したりして時間がかかりました。

昔のキットならではの、複数のパーツを同時にはめ込む工程は不器用ビルダーにはかなりツラいです。

コアファイターの車輪が軸受けに引っかかる

13 車輪

今のキットより造形の精度が甘いのと古いキットで金型が弱っているのか、小さなパーツにガタつき・歪みがあり、コアファイターの車輪が軸受けに引っかかっていました
カッターナイフで引っかかっていた部分を削り車輪の横幅を薄くして引っかかりを解消しました

引っかかりがあると、車輪が転がらないのでコアファイターを走らせて遊べません!
引っかかりがあると、車輪が転がらないのでコアファイターを走らせて遊べません!

大事な事なので2度言いました。
せっかくコアファイターを走らせて遊べるように設計されているので、存分にコロコロ転がして遊べるようにしましょう!

③旧キット 1/100 ガンダムの造形

14 正面

全長は約19cmです。1/100スケールなので存在感がピカイチです。

15 右横

右横。どこを見ても厚みがあるマッシブな体型です。

16 顔

どこを見ても「B.M.C 1/144 ガンダム」よりもクッキリしています。1/100スケールらしいです。
対象年齢が15歳以上なので、アンテナが尖っているのもスタイリッシュ。

17 胸部

胴体部分。胸部のダクトフィンに綺麗な長方形が並んでいます。
コアファイターのキャノピー部分が見えてしまっているのは、腹部を覆うパーツが無いので仕様です。
折り畳んだ主翼の隙間を埋めることは出来ません。主翼の可動の起点なので、ここを埋めてしまうと変形が出来なくなります。

左手の穴がシールドの持ち手の形に合わせて四角形ですが、丸い持ち手の他の武器も持たせられます。

18 脚

脚部分。腿から足先までの脚全体がモナカ割りです。

19 横

マニピュレーターの甲の四角いアーマーは存在しません。

後ろ

20 後ろ

ランドセルのモールドがきちんと彫り込まれています。
ビームサーベルをランドセルにマウントするとバーニアの部分を突き抜けてしまうため、ただの真四角の穴になっています。
「B.M.C 1/144 ガンダム」はビームサーベルが4本付属し、そのうちの2本を折ってサーベルがランドセルを突き抜けないようにマウント出来るようになっていました。
あちらの方が後ろ姿が格好いいかもしれません。

21 足の裏

足の裏全体にモールドが敷き詰められています。横の線が多く、シンプルなモールドなのが時代を感じます。
バーニア部分の深さは約3mmほどでバーニアを増設するには困らない深さです。
足の裏になる板を、脚全体になるパーツ2つで挟み込むので、どうしても隙間やズレが出来てしまいます。

④旧キット 1/100 ガンダムの色分け

22 色分け

アンテナ中央部の赤
シールド表面の赤
コアファイターの赤
成形色の白で補える部分

4箇所が色分け出来ている箇所になります。
「B.M.C 1/144 ガンダム」と同じく、成形色は薄く緑がかった白色です。

白一色だった「B.M.C 1/144 ガンダム」に比べると色味がありますが、色分けの完成度は数%程度です。

トリコロールカラーを構成する青・黄色
武器・ランドセル・手に必要なグレー
キャノピーの水色
ビームサーベルのピンク

ほぼほぼ足りていません。

シールドの外側のフチが別パーツで設定通りの白色に分けられているのは、現代のガンダムのキットでお馴染みの色分け方法です。この時代からあったんですね~。

 

それにしても、に加え、少しとはいえが入っているとジムにしか見えません!

⑤旧キット 1/100 ガンダムの可動範囲

肩・腕・手

23 肩水平

肩の装甲に干渉するまで、腕は水平まで広げられます。

24 肘

上腕部分に干渉するまで、肘は60度ほど曲げられます。

25 肩

軸にはめ込む機構なので、肩は360度回転します。

26 クラッチ

両腕共にクラッチで保持・可動を行うので、保持力が低いです
ずっと動かしていると摩擦で削れて緩くなってくるので、気になる人はテープや接着剤で厚みを増したり擦れる部分を保護した方がいいです。

股関節・膝・足

27 股関節

腰部に両脚を接着しているので、股関節は動きません。

 

28 膝

膝は90度ほど曲がります。

29 足首

膝から下がモナカ割り一体成型なので、足首は動かせません。

 

「1/100 ガンダム」の脚の可動範囲は膝が90度だけです。ちょっと寂しい可動範囲です。

30 首

首の軸を胴体に挟む機構なので、360度回転します。

 

「B.M.C 1/144 ガンダム」は膝の曲がりに加えて、股関節が前後に、足首が下に曲がったので、「1/100 ガンダム」は1/144スケールよりも可動範囲が狭いです

(RGを除けば)1/144スケールより1/100スケールの方が大きいのでその分機構や技術が詰め込めて可動範囲は広いのが鉄板ですが、この2つはです。

⑥武器・シールドなどの武装

ビームサーベル

31 ビームサーベル

ビームサーベルが2本付属。「B.M.C 1/144 ガンダム」と同じく、千歳飴のような造形です。先が細い格好いいビームサーベルが良い人は要加工です。

ビームライフル

32 ビームライフル

ビームライフルが1挺付属。弾倉の部分のモールド、後部のギザギザなど細かい部分まで造形されています。

ハイパーバズーカ×1挺 弾丸×1個

33 ハイパーバズーカ
ハイパーバズーカが1挺、弾丸が1個付属。ハイパーバズーカの中に弾丸を入れられるので、バズーカを今にも撃たんとするポーズが取れます。

ロケット砲×1挺 弾丸×2個(「1/100 ガンダム」オリジナル武器)

34 ロケット砲
ロケット砲が1挺、弾丸が2個付属。ライフル、バズーカに比べてずんぐりしたデザインです。
機械らしい凹凸のディテールやサイトがあって、オリジナルではありますが出来るだけ違和感がない造形になっています。

35 ロケット砲2
ロケット砲の弾丸を発射出来ます。

  1. トリガーを水平にして弾丸を入れる
  2. 弾丸を奥に押し込む。トリガーが自動で下に下がる
  3. トリガーを水平に戻す
  4. トリガーを下げて発射!

 

36 ロケット砲3

25cmくらいと、なかなかの飛距離があります。

 

こういうギミックは子供の時に遊んだおもちゃを思い出して、童心に返れて楽しいです!・+(*゜∀゜*)+・パアアアア

シールド

37 シールド

表の十字は赤いパーツと白いパーツに分かれていますが、段差もなく良好なはめ合わせです。
裏の中心部のピンをランドセルのピン穴に接続して、シールドをマウント出来ます。

緑色のシールは本当に謎です。作中ではシールドでボディを守りつつスコープを覗きながらビームライフルを撃っているので、何もない空間のままでよいはずなのですが。
このシールは無い方が作中に近いです。

コアファイター

38 コアファイター
各所のモールドが繊細な造形で描かれています。全面、背面にもしっかりディテールが施されています。

車輪がついているのでミニカーのように机やフローリングで走らせて遊べます。当時の子供は「コア・ファイター発進!」なんて言いながら夢中で遊んだに違いありません。

大人の知恵として、車輪と軸の間にグリスや油を塗るとサーッと走る滑らかな走行が楽しめますよ!

39 コアファイター2
変形・合体機構があります。

  1. 垂直尾翼を外す
  2. 裏側の車輪3つを外す
  3. 機種の先端を本体側へ押し込む
  4. 機首全体を裏側に格納
  5. 主翼を折り畳む
  6. 腰部に差し込んで完成

⑦レッツポージング!

40 ポーズ1

41 ポーズ2

42 ポーズ23

パッケージにあるポーズ。昔のキットなのでディテールは少ないですが、その分一つ一つのパーツが大きく見えるので迫力があります。

44 ビームサーベルのポーズ

45 ビームライフルとビームサーベル

下半身の可動範囲が「膝の90度」しかないため、少し足を折り曲げたポーズくらいしか取れません。
足首の下方向への動きが無いので脚を曲げてしまうと足先数mmで厳しい接地が求められ、重心の調整が難しいです。よくコケます
膝が90度曲がっても足首が曲がらないので正座のような脚の配置にならず、膝立ちも不可です

「B.M.C 1/144 ガンダム」で出来たシールドに重心を支えてもらうポージングは、サイズが大きいのでシールドが地面につかないため不可能です。
腕の可動範囲はなかなかですが、脚の可動範囲はおまけ程度に考えた方がいいかもしれません。

43 バズーカ

ハイパーバズーカは下部の突起や後部の弾倉が腕に干渉するので手に持たせるには苦労します。手に持たせたとしても、手のピン穴からピンがはみ出ているので落ちやすいです。
ハイパーバズーカを持たせてポーズを取ることはあまり考えられていない設計のようです。

46 ハイパーバズーカ

腕に乗せるようにしてハイパーバズーカを持たせてみる。四角い本体と丸いバズーカの対比が鮮やかです。

47 ロケット砲

オリジナル武器のロケット砲は太めに作られているので、前に突き出すと圧迫するような存在感が出ます。

48 バズーカとロケット砲

漢の浪漫、強くて格好いい武器両手持ち!

EX.「B.M.C 1/144 ガンダム」との比較

50 比較1

「1/100 ガンダム」は赤色のおかげで彩りがあります。
とはいえアンテナランドセル本来赤色ではない部分が赤色なので、完全に真っ白な「B.M.C 1/144 ガンダム」の方が違和感はありません

造形に関してはどこを見ても、双子か!?と言いたくなるほどよく似ています。パッと見で違いが分かるのはアンテナの尖り具合と腹部くらいです。
モナカ割りなので合わせ目の位置すらよーく似ています!

 

ガシガシ動かして遊びたいなら「B.M.C 1/144 ガンダム」、大きくてギミックが豊富な方がいいなら「1/100 ガンダム」といった風に選んでみると良いかもしれません。

⑧旧キット 1/100 ガンダムの総評

49 コアファイターと共に
コアファイターと共に。

 

もうひとつの40年前の世界で最初のガンプラ、いかがでしたでしょうか。

赤色が少しながら色分けが登場
コアファイターが変形・合体可能
コアファイターとガンダムを同時に展示出来る差し替えパーツ付属
オリジナル武器「ロケット砲」で弾丸が発射出来て遊び心満載

接着剤で全てのパーツをくっつける
塗装図が無く、自分で色を考えたり確認しないといけない
色分けはあるものの最低限なので、色再現をしたければ全塗装必須
小さいパーツの精度が甘く、自分で簡単な加工をしなければいけない箇所がある
脚の可動範囲が膝しかなく、1/144スケールより狭い

 

可動範囲よりも武器の豊富さ武器のギミックにパーツ数を注いだ結果か、可動範囲が1/144スケールよりも狭いのは驚きました。
現在の「大きい方が精密でクオリティが高い」という常識を打ち破るキットです。

とはいえ1/100スケールで存在感はバッチリなので、堂々とした巣立ちで飾って威風に溢れたガンダムでお部屋を彩るのがオススメです!

 

同じ月発売の「B.M.C 1/144 ガンダム」と同時に作ると、組み立て工程やパーツ数の違い、設計思想の違いがハッキリと分かって楽しい時を創れますよ!