【旧キット/B.M.C/ガンダム】ベストメカコレクション 1/144 シャア専用ザクのレビュー【1980年/9月】

【機体概要】MS-06S シャア専用ザク

登場作品:TVアニメ「機動戦士ガンダム」

主に中隊長以上の指揮官に与えられる「指揮官用ザク」をシャア・アズナブルのパーソナルカラーの赤にカラーリングした、シャア・アズナブル専用のザク。
「ザクⅡ F型」を基に製造された機体性能は同型よりも20%以上向上し、中隊長機の証であるブレードアンテナが頭部に追加されている。
シャアの極めて優れたセンスと操縦能力は機体性能を存分に引き出し、通常の3倍のスピ―ドでもって地球連邦軍の母艦「ホワイトベース」へと肉薄した。


①ベストメカコレクション 1/144 シャア専用ザクの全付属品

外箱・パッケージアート

1 パッケージ

パッケージアート
深みがある蒼い宇宙と地球を背景に、シャア専用ザクとシャアが描かれています。

どっしりとしたザクと、マントをたなびかせるシャア。両方とも格好いい!

 

 2 パッケージ左右
パッケージ左面
塗装の参考例やどんな出来上がりになるかの想像がつくように、塗装済みの状態でポーズを取るシャア専用ザクの写真が載っています。
上から2番目の写真が、ドリフみたいにコケる寸前のようなポーズでコミカルですねw

パッケージ右面
シャア専用ザクに関連するMSが載っています。
永遠のライバル・ガンダム、量産機のザク、同じジオン軍のランバ・ラルが搭乗するグフです。
3 パッケージ上下
パッケージ天面・底面
パッケージの上下は、上下共通のデザインです。

ブランド名や機体番号、スケールが一目で把握出来るようになっています。
(手足関節部自由に可動)と書かれていて、好きなように動かせるのをアピールしています。

組立説明書

4 組立説明書

MG/PGの冊子、SD/HGの折り畳みリーフレット形式の組立説明書とは違い、1枚のリーフレットに塗装図と組み立て説明図が両面印刷されています。
現代の組立説明書でお馴染みの読み物、作品の紹介や機体・パイロットの解説はありません

 

5 塗装図1

6 塗装図2

塗装図のアップ。ランナーに直接塗装してあるのが時代を感じます。
カラーチャートが無いので、塗装図の色味と色の名前から自力で色を推測して調色する強者仕様となっています。

全ランナー2枚

8 全ランナー

全ランナーは2枚です。
SDよりも少ないランナー数です。
どこを作るにも大味なモナカ割りが基本で、関節部の機構も円形の軸に円形の穴が開いたパーツをはめ込む、素朴な作りになっているので少ないパーツで済みます
1/144スケールでもこれくらいのランナー数・パーツ数で組み立てられます。

「B.M.C 1/144 シャア専用ザク」はランナータグの部分が空白で、スケールと機体名が書いてありませんでした。仕様が統一されていないのがいかにも最初という感じがします。

本体と付属品

9 本体と付属品

  1. 1/144 シャア専用ザク本体
  2. ザクマシンガン×1挺

本体に加え、ザクマシンガンが付属。

ザク自体がシールドをもともと本体に装備していて、しかも
ザクマシンガン
ザクバズーカ
ヒートホーク
3つの武装しか持っていないこともあり、シンプルな内容です。

とはいえ初期の話数では主にザクマシンガンと体術で戦っていたので、十分ガンダムとの戦闘再現は出来ます

ビームライフルの他にビームサーベルが4本もついていた「B.M.C 1/144 ガンダム」は主役機で出血サービスだったのかもしれません。

②実際に組み立てて作ってみる

頭部のブレードアンテナは自分で接着する

12 ブレードアンテナ

頭部のミゾを自分で削り、ブレードアンテナ下部の出っ張りをミゾにはめ込んで、シャア専用ザクの頭部が完成します!

ミゾに合わせてカッターナイフを左右に動かせば、カンナ掛けのように必要な部分だけ削り取れます
ミゾ自体はハッキリしているのですが、いかんせん1/144スケールで頭長が1.5cmほどしかないのでmm単位の繊細な作業になります

キットの対象年齢は8歳以上ですが小学生にはかなりハードルが高い作業です。
当時の子供が削りすぎたり、あるいは削れなかったりした風景が目に浮かびますね!

 

13 ブレードアンテナ2

「42」の数字が潰れてしまうほど金型が損耗しています。

そのせいでゲートとミゾにはめ込む出っ張りの違いが非常に分かりづらく、相当気をつけないと判別出来ません
1mm程度しかないので、誤って出っ張りまで切り取ってしまわないように注意してゲートを切り取ります。

 

B.M.C 1/144 シャア専用ザク」は「B.M.C 1/144 量産型ザク」と完全にコンパチで、ブレードアンテナを追加して成形色を赤に変えてあるだけです(発売はシャア専用ザクの方が先)。

量産型ザクの方で頭部にブレードアンテナ用のミゾを開ける訳にはいかず、シャア専用ザクでブレードアンテナ用のミゾを開ける工程が出来ました。
パテでミゾを埋めるよりミゾをカッターナイフで彫る方が簡単です。
パテを持っていない初級者がいても、プラモ制作に必須のカッターナイフを持っていない初級者は少ないです。そう考えると納得ががいく仕様です。
金型の流用技術が高度になった今なら頭部だけ金型を入れ替れば済みます。そうはいかない80年代の技術事情を感じるキットです。

ザクマシンガンの左手の持ち手

10 ザクマシンガンの持ち手

ザクマシンガン本体に、左手の持ち手となる部分を接着します。本体の丸い部分が目印になっているので、持ち手の斜めの方をくっつけます。
角度の調整が若干難しいですね。

11 ザクマシンガンの持ち手2

しっかり接着剤を塗って時間を置いて乾かしても、実際にポージングをさせると根元に負担がかかって外れます
その際は乾いた接着剤の部分をカッターナイフで削り取って、接着剤でもう一度くっつけましょう

「今のキットなら元からザクマシンガン本体と一緒に成形されているだろうなぁ」としみじみ思いました。
外れてももう一回接着しなおせば元通り、ょっとした苦戦も昔のキットならではなので意外と楽しいです!

 

昔のキットなので接着剤不要のスナップフィットは無く、すべての工程で接着剤を使って組み立てます。
作る時はプラモデル用接着剤を忘れずに購入しましょう。

③ベストメカコレクション 1/144 シャア専用ザクの造形

15 前面

1/144スケールで全長は約12cmです。
横幅が広く頭が大きいです。情報量の少なさは当時のTVアニメならではのモノですが、プロポーションは作中より大分ずんぐりしています。力強いプロレスラーのような体格です。

16 前面2

右横。横から見ても分厚いです。メカらしいカクカクした部分が少なく、ザクならではの曲線が多いデザインと線の太さが相まって、強靭な筋肉を持つ人間のような見た目です。

17 顔

動力パイプのモールドはあっさりめです。モノアイは1mmほどの正円の段差で出来ていて、色分け通りに周囲を黒く塗装しないと見えづらいです。

18 胴

胴体部分。全体的にモールドが浅く、広々とした印象になっています。筋肉を思い起こさせる腕のしなりが非常に人間的です。機械らしさより人間らしさを感じさせる造形は、作中のイメージ通りですね。

19 脚

脚部分。滑らかな曲線で出来ています。動力パイプのモールドが上半身よりもクッキリしていて、四角いパイプを構成しています。

20 横1

21 横2

前後に伸びた動力パイプが、縦ラインの多い横側のアクセントに効いています。

後ろ

22 後ろ

設定画通りにプレーンです。

23 脚の裏

足の裏は真っ平で造形はありません。

④ベストメカコレクション 1/144 シャア専用ザクの色分け

24 色分け

1つ目の赤色で補える部分全てが色分け出来ている箇所です。
成形色は赤いサーモンピンクです。
パッケージアートや現在のシャア専用ザクで思い起こされるオレンジ色系の赤にするには、塗装が必須です。

  1. 胸部前面・肘・背面の丸・膝・足元・モノアイ周辺の黒
  2. ザクマシンガンの黒鉄色、胴体・バックパックの濃い赤
  3. モノアイの明るい赤

筆塗りで色分けが完了出来そうな塗装範囲で済みます。
ザク自体が濃い赤の3色のシンプルなトーンで出来ており、武器もザクマシンガン一つしかないので、サーモンピンクさえ気にしなければ色分けの完成度は70%程度です。

量産機ならではの、ザクのシンプルイズベストなデザインは何度見ても良いものです!

⑤ベストメカコレクション 1/144 シャア専用ザクの可動範囲

肩・腕・手

25 肩の可動

右肩はシールドが胴体に干渉するまでの水平より少し下、左肩は水平まで広げられます。

26 肘の可動

肘は90度曲げられます。

27 肩の可動2

軸にはめ込む機構なので、肩は360度回転します。

28 前腕の可動

肩の装甲と腕が別パーツなので、上腕から先が360度回転します。

29 シールド

右上腕部外側にあるピンとシールドにあるピン穴をはめ込んで、本体とシールドを接続。
接着しないので、肩に干渉するまで回転させて動かせます。

股関節・膝・足

30 股関節の可動

股関節。後ろにほんの少し、前にそれなりに動きます。

31 膝の可動

膝は90度曲がります。
動力パイプは腿横と膝横の穴に端っこを入れるタイプなので、不格好ではありますが可動の邪魔になりません

32 足首の可動

膝から下全体が一体成型で、足首は動きません。
プラモ狂四郎でライバルの健が敗北した原因です(笑)

33 首の可動

首の軸を胴体に挟む機構です。顎が胴体に干渉するまで回転します。
胴体に干渉さえしなければ、ガンダムと同じく360度回転するようになっています。

 

前腕の360度回転部分が増えたのがガンダムから進化しています!
ジオン系のMSは肩の装甲が大きく、前腕とは別パーツに出来るお陰ですね。

⑥武器・シールドなどの武装

ザクマシンガン

34 ザクマシンガン

持ち手周辺の曲線と銃口周辺の直線のバランスが面白いデザインです。上部の円盤は弾倉で、縦のモールドがはっきり彫られています。

⑦レッツポージング!

35 ポージング1

36 ポージング2

37 ポージング3

38 ポージング4

39 ポージング5

パッケージと組立説明書にあるポーズ。
ガッチリしたプロレスラー体系なので、実際にポージングさせてみると存在感と迫力があります。

40 ポージング6

悠然と構えるシャア専用ザク。


足首が曲がらないので膝立ちが出来ずポージングが限られますが、前腕が回転するので腕の可動は自由自在です。

人間のようなデザインのおかげで、まるで人間のスナイパーのようなポーズを取らせても違和感がありません。

70年代の絵柄特有の人間のような有機的な曲線が再現されていて、どこか生々しさがあります。
機械らしい直線やモールドがなく、まるで人間が動いているような印象です。

45 &ガンダム

同じブランドの「B.M.C 1/144 ガンダム」と並べてみると、直線と曲線のデザイン性の違い、体つきの違いが如実に分かります。
小顔でガンダムの方がプロポーションが良いですね。


「うっ、シャア!?」
「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを……教えてやる!」

「シャアめ!」

「……後ろ!?」

「遅い!」


第3話の一幕より。(ガンダムに、ガンダムバズーカが無いのでビームライフルで代用)
武器があるのに拳で殴る
ザクマシンガンの銃底で殴る
シールドで腕を押し込めてビームライフルを封じる
MSに乗っているとは思えない肉弾戦が繰り広げられる、奇想天外なシャアの戦い方が印象的な話数です。
流石は一人で5隻の戦艦を沈めた赤い彗星!

 

昔のキットなので関節部に粘りがあるポリキャップ、強度があるABSなどが使われていないため、関節はすぐにヘタって緩くなります。
いずれの関節も10回程度までしかまともに動かせないと思って、慎重に動かした方が良いです。

ポージングさせて因縁のバトルも再現してガシガシ動かしたので、ガンダムとザク両方の関節が随分と緩くなりました。
昔のキットで撮影するのは難しいです……(´;ω;`)

一人で飾って楽しむ分には10回も動かせれば十分ポーズが決まるので、そこはご安心ください。

⑧ベストメカコレクション 1/144 シャア専用ザクの総評

51 最後
対決の火花散る。

 

全世界待望のシャア専用ザク、いかがでしたでしょうか。4つ目のガンプラとしてようやく出てきました。

上腕の360度回転により腕の可動範囲が良好
作中の機械らしからぬ、筋肉を思わせるような人間らしい造形をバッチリ再現
濃い赤・黒を基本にしたシンプルな色遣いで
、筆塗りでも色分けが出来そうな塗装範囲

個人的に、現在のMSという戦闘機械として定まったザクとは違う良さがある造形が点数高いです。
この時代のキットでないと味わえない造形ですメカメカしい軍事用戦闘兵器とは違った趣があるのが良いですね!

可動範囲は今のキットよりも狭いですが、動いてほしい部分はきちんと動くので、アクロバティックなポーズでなければ十分イケます。
前腕が回転すると腕が外側に向けられるので、腕の自由度が高いのは評価ポイントがホントに高いです。
あるとないとでは大違いです。

 

接着剤で全てのパーツをくっつける
関節がすぐヘタる

シャア専用ザクに限らず、関節部のヘタり対策が取られていない昔のキット全てに付きまとう問題です。
少しでも関節の寿命を延ばしたいなら、自分での改修が必須です。
軸を瞬間接着剤テープボンドなどで太らせれば、太くなった分だけ摩擦での削れに強くなります
ちょっとした簡単な改修なので、念のためでもやっておいて損はないです。

 

同じ「B.M.C」のガンダム、量産型ザクと組み合わせて
戦闘シーンを再現
一緒に飾る
とより一層楽しいです。

ピンバイスなどで股間部分に穴を開けてアクションベースに飾れるようにすれば、宇宙戦の再現も可能です。
もちろん、改修などをせずにそのままにして、80年代当時のシンプルで質素な雰囲気を楽しんでも良いですね。

いろんな方法で昔のキットを楽しんでみてください!