【機体概要】MS-07B グフ
登場作品:TVアニメ「機動戦士ガンダム」
ザクIIの格闘能力を強化し、地上の白兵戦に特化して改良されたジオン軍の量産型モビルスーツ。ブレードアンテナを標準搭載している。
ゲリラ戦を得意とする古参兵のランバ・ラルが先行量産機に搭乗し、地球連邦軍のアムロ・レイが搭乗するガンダムと激しい格闘戦を繰り広げた。
印象的な深い青色はランバ・ラルのパーソナルカラーであったが、後に量産型にも採用される運びとなった。
①ベストメカコレクション 1/144 グフの全付属品
外箱・パッケージアート
●パッケージアート
黄色い砂埃が舞うような背景に、ヒートロッドを構えたグフとランバ・ラル大尉が描かれています。
ヒートロッド特有の鞭のようなしなりに躍動感があります。
ランバ・ラルは35歳ながら、歴年の勘が冴え渡る古参兵。「青い巨星」との異名を持ち、若造には負けない活躍を見せます。
塗装の参考例やどんな出来上がりになるかの想像がつくように、塗装済みの状態でポーズを取るグフの写真が載っています。
一番上の写真の、今にもヒートロッドを振り下ろしそうな躍動感がクールです。

●パッケージ右面
シャア専用ザクに関連するMSが載っています。
右から1番目の「シャア専用ザク」と2番目の「量産型ザク」がジオン公国軍の友軍機です。
左2つは敵方の母艦「ホワイトベース」と倒すべき仇敵の「ガンダム」です。
パッケージの上下は、上下共通のデザインです。
ブランド名や機体番号、スケールが一目で把握出来るようになっています。
(手足関節部自由に可動)と書かれていて、好きなように動かせるのをアピールしています。
組立説明書
MG/PGの冊子、SD/HGの折り畳みリーフレット形式の組立説明書とは違い、1枚のリーフレットに塗装図と組み立て説明図が両面印刷されています。
現代の組立説明書でお馴染みの読み物、作品の紹介や機体・パイロットの解説はありません。
塗装図のアップ。ランナーに直接塗装してあるのが時代を感じます。
カラーチャートが無いので、塗装図の色味と色の名前から自力で色を推測して調色する強者仕様となっています。
「グフ」で画像検索すると出てくる画像の通り、TVアニメ作中のグフはもっと青い色です。
この塗装図の色味はかなり水色寄りでオリジナリティに溢れています。海のような爽やかな色使いですね~((`・ ∀ ・´))
全ランナー2枚+α
全ランナーは2枚です。
SDよりも少ないランナー数です。
どこを作るにも大味なモナカ割りが基本で、関節部の機構も円形の軸に円形の穴が開いたパーツをはめ込む、素朴な作りになっているので少ないパーツで済みます。
1/144スケールでもこれくらいのランナー数・パーツ数で組み立てられます。
ヒートロッド・シールドの持ち手は別ランナー?になっています。
成形色はやや暗めの「蒼」です。塗装図と色味がかなり違いますが、作中でもパッケージアートでも、こちらの方が色のイメージとしては近いです。
ランナータグです。ランナー数が少ないので「A「B」といった英字でランナーを細かく分ける必要が無く、スケールとMS名だけが書かれています。
本体と付属品
- 1/144 グフ本体
- ヒートロッド×1本
- グフシールド×1個
本体に加え、ヒートロッド・グフシールドが付属。
●ヒートロッド
●5連装75mmマシンガン(左手)
●ヒートサーベル
●グフシールド
グフがもともと3つの武装しか持っていないこともあり、足りない武装はヒートサーベルのみです。
②実際に組み立てて作ってみる
頭部のブレードアンテナは自分で接着する
左右に分かれた頭部をくっつけるとブレードアンテナはめ込み用のミゾがあるので、そこにブレードアンテナの下部をはめ込んで接着します。
ブレードアンテナが無い量産型ザクとのコンパチのせいで、頭部のミゾを自分で削らなければいけなかったシャア専用ザクよりも、ずっと短い時間でラクにブレードアンテナを取り付けられました!
最初からはめ込み用のミゾがあるって、こんなに嬉しい事だったのか……!
細かい作業が苦手なぶきっちょさんでも安心のグフ! ザクとは違うのだよ、ザクとは!
5セクションでバックパックの横に丸いパーツを接着し、6セクションでそこに動力パイプの後ろを接着します。
この時、丸いパーツをバックパックの後ろの方に接着しないと、動力パイプの長さと噛み合わなくなってしまいます。
丸いパーツはバックパックの穴の後ろに接着しましょう。
今のキットなら、どこに接着すればいいのか分かりづらい不親切な仕様にはならないはずなので、昔のキットならではの仕様ですね。
他に細かい、難しい部分はありません。すんなりと作れるキットです!
なお、昔のキットなので接着剤不要のスナップフィットは無く、すべての工程で接着剤を使って組み立てます。
作る時はプラモデル用接着剤を忘れずに購入しましょう。
③ベストメカコレクション 1/144 グフの造形
前
1/144スケールで全長は約12cmです。
横幅が広く頭が大きいです。シャア専用ザク・量産型ザクとよく似たずんぐりしたプロポーションをしています。
しかし、作中でグフはザクよりも横幅が広くマッシブな描かれ方をしていたので、高頭身&細身でプロポーションが良いです。
肩のショルダースパイクと菱形が多い脚のおかげで、よりスタイリッシュに見えます。
右横。ジオン系MSらしい上半身の丸みと、胴体・脚のカクカクしたメカ部分の絶妙なバランスがグフの持ち味です。
動力パイプのモールドはあっさりめです。モノアイは1mmほどの正円の段差で出来ていて、色分け通りに周囲を黒く塗装しないと見えづらいです。
金型が損耗しているので顎のダクトにバリが見られます。気になる人は削って消しましょう。
胴体部分。前面に斜めに突き出た胸部が、堂々と胸を張っているようで強く見えます! 見えづらいですが、腹部の三角のオレンジ色の部分もきちんとモールドが彫られています。
左手は「5連装75mmマシンガン」を備えた平手です。前腕部分が左右非対称なのが特徴的です。
脚部分。腿がグフ特有の菱形です。膝から下の脚に向けて広がったデザインが力強くて格好いいです。
横
前後に伸びた動力パイプが、縦ラインの多い横側のアクセントに効いています。
「5連装75mmマシンガン」のミゾは、かなりしっかり彫られています。
後ろ
膝裏のカクカクした部分もしっかり再現。
右脚下の装甲部分に丸い切り欠きがあるのですが、パッケージ写真にも組立説明書の塗装図にも、グフの設定図にもこのような切り欠きはありません。左脚下の装甲が正しいデザインです。
他の方が制作されたB.M.Cグフにもこのような切り欠きは無いです。
(破損したなどの理由で金型の改修をしたのでしょうか? お客様センターに訊ねてみないと、ちょっと分からないです……ナンジャコリャ( ゚Д゚y)y !??)
足の裏は真っ平で造形はありません。
④ベストメカコレクション 1/144 グフの色分け
●濃い目の青色なので、胴体部分・グフシールド前面・グフシールド裏、の濃い青部分が色分け出来ている箇所です。
成形色は蒼に近い濃い目の青です。
- 胸部前面・背面の丸・膝・足元・モノアイ周辺・バックパックの黒
- モノアイのピンク
- 腹部の三角の橙
- ヒートロッドの灰色
胴体とグフシールドの濃い色の部分が一番成形色に近いので、成形色で済むのはそこくらいです。色分けの完成度は20%程度です。
青・濃い青・黒の3色のシンプルなトーンで出来ているので色数は少ないですが、作中の色を再現したければ塗装必須です。
⑤ベストメカコレクション 1/144 グフの可動範囲
肩・腕・手
両肩を水平より少し下まで広げられます。
肘はキッカリ90度曲げられます。
肩の装甲と腕が別パーツなので、上腕から先が360度回転します。
股関節・膝・足
股関節。前に結構、後ろにほんの少し動きます。
同じブランドの「B.M.C 1/144 ガンダム」「B.M.C 1/144 シャア専用ザク」と違い、左右に動きます。
両脚を繋ぐパーツの軸を胴体下部の軸穴にはめ込む機構は3キットで全く同じです。
しかしグフの腰部の隙間は広く隙間の分だけ軸から左右に動きます。なのでグフだけ股関節の左右の動きが可能になっているんです!
膝は少ししか曲がりません。膝のギザギザの部分と膝後ろの装甲が干渉しています。
将来のグフのキットがこの問題をどう解決するのか楽しみですね!
足首は前の方向へかなり動きます。足首が動くと接地範囲が格段に上がるので、重心が傾いたポージングを取りやすくなります。
首
首の軸を胴体に挟む機構です。顎が胴体に干渉するまで回転します。
胴体に干渉さえしなければ、ガンダムと同じく360度回転するようになっています。
●上腕が360度回転
●股関節が左右に動く
肩の装甲のおかげで肩と上腕が別パーツに出来て上腕が回転し、広い腰部のおこぼれではありますが股関節が左右に動きます。ザクと違って足首も前に動きます。
最初のガンプラ「B.M.C 1/144 ガンダム」から早5か月、比べると大分可動範囲が増えました!
2つも増えれば膝の狭い可動範囲には目を瞑れます。やるなぁ、グフ!
⑥武器・シールドなどの武装
ヒートロッド
鞭らしい丸みとしなりがあらかじめ造形されています。可動箇所はありません。
右手の丸い穴にヒートロッドのピンを差し込んで持たせます。
組立説明書では接着するように指定がありますが、ヒートロッドの向きが変えられなくなりポージングがキマりづらくなるので、オススメ出来ません。
はめ合わせは緩めでポロポロ落ちます。瞬間接着剤をつけたりテープなどを巻いてピンを太らせて、手から落ちないようにする方ポージングの幅が増えます。
グフシールド
長い菱形を基本にしたシンプルな造形のシールドです。ガンダムのシールドはそれなりにモールドがあったので、裏になんの造形も無いのが意外です。
見えづらい部分とはいえ、裏にしっかりコピーライトが書いてあるのが今では信じられないですw
これまでのシールドがあるキット3つには無かったので驚きです。ちょっとしたポージングの時などに見えないように、やすりで削る人が多そうですね。
前腕上部の装甲の前後にあるピン穴2つに、グフシールドの持ち手の軸の端っこをはめ込んで装着します。
キツいはめ合わせではないので、重力に沿ってグルグル回転しがちです。
⑦レッツポージング!
腕の可動範囲が広いので、ヒートロッドを振り上げたポーズも難なく行えます!
パッケージと組立説明書にあるポーズ。腕が動く分だけ色んなポーズが取れます。
次のポーズを取らせようとしたら、右肩の付け根の可動軸がボッキリ折れました!
モナカ割りで中身が空洞で腕自体は軽量で軸の負担にはなりません。自分がスムーズに動かせる可動方向を気にせずに、肩を動かそうとしたのが原因だと思われます。
とはいえ軸自体が1mmもなく薄いのは間違いないので、ゆっくりと軸の負担にならないように動かすのが安全そうです。
接着剤が塗布出来る範囲が狭く、軸を接着剤でくっつけて修復するのは不可能でした。
接着剤でくっつけており分解が出来ないので、新しく軸パーツの注文をしても腕とのくっつけようがありません。
折れた部分も含めたポージングがしたければ、大人しくもう1個キットを購入して作り直すのが一番早くて確実です(´・ω・`)
もう一回バンダイの売り上げに貢献するッ!!!!
このブログをご覧になった方は、反面教師にしてグフを優しく扱ってあげてください。すまぬグフ……(泣)
右肩の関節全体に接着剤を塗って接着。右腕が動かない状態でポージング。
腕がしっかり動き、脚の可動も最低限以上あって、右腕が動かなくても表情付けがバッチリキマります。
回転する上腕と一緒に自在に動くグフシールドが、特に表情付けに一役買っています。位置と角度を調整するだけで見栄えがグッとよくなります。
足首の動きにより接地しやすく足の裏の面積が広いので、片足立ちも可!
うっかり肩関節が折れてしまっても、可動範囲と接地力のカバーでポーズがしっかりキマります。格好よく飾れます!
なお、昔のキットなので関節に
●粘りがあるポリキャップ
●強度があるABS
などの現代でおなじみの素材が使われていないため、関節がすぐにヘタって緩くなります。
いずれの関節も10回程度までしかまともに固定させられないと思って、慎重に動かした方が良いです。
一人で飾って楽しむ分には10回も動かせれば十分ポーズが決まるので、そこはご安心ください。
⑧ベストメカコレクション 1/144 グフの総評
世界で最初のグフのガンプラ、いかがでしたでしょうか。
●ザクよりもブレードアンテナが取り付けやすい
●上腕が回転・股関節が左右に動く・足首が前に結構動く、可動が良好
●接地力に優れ、片足立ちが可能
●接着剤で全てのパーツをくっつける
●塗装図の色がTVアニメ作中や現在のグフのイメージより明るく、参考にしづらい
●色分けはあるものの胴体部分・グフシールド前面・グフシールド裏の濃い青部分だけなので、色再現をしたければ全塗装必須
●デザインの都合で膝と膝後ろの装甲が干渉し、膝の可動が狭い
●関節がすぐヘタる
グフに限らず、関節のヘタり対策が取られていない昔のキット全てに付きまとう問題です。
少しでも関節の寿命を延ばしたいなら、自分での改修が必須です。
軸を瞬間接着剤、テープ、ボンドなどで太らせれば、太くなった分だけ摩擦での削れに強くなります。
ちょっとした簡単な改修なので、念のためでもやっておいて損はないです。
色分けは昔のキットらしく1色の成形色で補える部分しかありません。膝もガンダム・ザクより動きません。
しかし、腕の可動範囲が良好で接地力もあるので、ガシガシポージングさせて遊べます。これだけで扱いが難しい面のお釣りが来ます!
膝と首の回転を除けば、ガンダム・ザクの中で一番可動範囲が広いです。
ポージングする時は肩関節の軸の破損に気をつけて、格好いいグフを飾ってあげてください!