【旧キット/B.M.C/ガンダム】ベストメカコレクション 1/144 ガンダムのレビュー【1980年/7月】

【機体概要】RX-78 ガンダム

登場作品:TVアニメ「機動戦士ガンダム」

起死回生を狙った地球連邦軍の「V作戦」で極秘裏に製造されたモビルスーツ。
ビームサーベルとビームライフルに代表されるビーム系武器をを史上初めて武装として搭載し、ビームライフルは戦艦並みの凄まじい破壊力を誇る。
パイロットのアムロ・レイの類稀なる素質とガンダムの高性能さが組み合わさった勇壮な活躍は、地球連邦軍と仲間たちの危機を幾度も救った。


①ベストメカコレクション 1/144 ガンダムの全付属品

外箱・パッケージアート

1 パッケージアート正面

パッケージアート
現代のガンプラと変わりなく、機体とパイロットが描かれています。

水彩塗りでありながら、カッチリした陰影とシルエットが際立っているのが印象深い一枚です。

 

2 パッケージアート左横
3 パッケージアート右横
パッケージ左面
塗装の参考例やどんな出来上がりになるかの想像がつくように、塗装済みの状態でポーズを取るガンダムの写真が載っています。

パッケージ右面
機体とパイロットの説明があります。作品は知らないけど買ってみたい、という人に優しい仕様です。
4 パッケージアート上下
パッケージ天面・底面
パッケージアートの上下は、上下共通のデザインです。

ブランド名や機体番号、スケールが一目で把握出来るようになっています。
(手足の関節部が自由に可動)と書かれていて、好きなように動かせるのをウリにしていたようです。
全ての面が現代のパッケージと同じ仕様です。
パッケージの基本が最初の時点で出来上がっています!
1980年発売なので、40年前ですよ40年前
40年変わりない仕様とは、パッケージ内容の完成度の高さが凄まじいです。

組立説明書

6 組立説明書

MG/PGの冊子、SD/HGの折り畳みリーフレット形式の組立説明書とは違い、1枚のリーフレットに塗装図と組み立て説明図が両面印刷されています。
現代の組立説明書でお馴染みの読み物、作品の紹介や機体・パイロットの解説はありません。必要最低限といった雰囲気です。

組み立て説明図は黒い実線だけで描かれていますが、しっかりとパーツの立体感が表現されているので実際のパーツと印象が異なることはありません
白と黒だけでシンプルなので、個人的には現代の3Dと灰色で描かれたメリハリが薄い組み立て説明図よりもずっと見やすいです。

 

7 塗装図

8 塗装図2

塗装図のアップ。ランナーに直接塗装してあるのが時代を感じます。
カラーチャートが無いので、塗装図の色味と色の名前から自力で色を推測して調色する強者仕様となっています。

全ランナー2枚

9 全ランナー

全ランナーは2枚です。
SDよりも少ないランナー数になっています。どこを作るにも大味なモナカ割りが基本で、関節部の機構も円形の軸に円形の穴が開いたパーツをはめ込む、素朴な作りになっているので少ないパーツで済みます。1/144スケールでもこれくらいのランナー数・パーツ数で組み立てられます。

10 ランナータグ

ランナータグです。ランナー数が少ないので「A「B」といった英字でランナーを細かく分ける必要が無く、スケールとMS名だけが書かれています。

これから30年後の未来では、腕も脚も180度曲がって指の全ての関節が動き、ランナーから切り取るだけでMSのフレームが完成する1/144スケールのRGガンダムが発売されます。
恐ろしいまでの技術の進化っぷりです
その進化も、「B.M.C 1/144 ガンダム」のような子供でも思いつきそうな素朴な機構から出発したと思うと、ガンプラの歴史の壮大さと飽くなき技術への追求に圧倒されます!

本体と付属品

11 本体と付属品

  1. 1/144 ガンダム本体
  2. ビームサーベル×4本
  3. ビームライフル×1挺
  4. シールド

本体に加え、ビームサーベルビームライフルシールドのガンダムの基本的な武装が付属。
基本的な戦闘ポーズ・戦闘シーンをきちんと再現出来る内容です。最初の時点でポージングをしたり、作中の内容と同じ武装で飾って楽しむことが想定されていたようです。

②実際に組み立てて作ってみる

今のガンプラと基本は変わりない

13 セクション1

12 13,14,17

組立説明書に載っている数字のパーツをランナーから切り取り、ランナーから切り取ったパーツのゲートを切り取って綺麗にして、綺麗にしたパーツ同士をくっつけて部品や手を作ります。

ガンプラというよりプラモデルの基本なので、40年前から変わらない工程です。
好きな機体を自分で組み立てて作る楽しみは昔から変わりません! 

古いキットなので接着剤でパーツをくっつける

15 接着剤を塗るところ

現代のガンプラと違うのは接着剤でパーツをくっつけることです。

今は「ピンのあるパーツ」「ピン穴のあるパーツ」に分かれていて、ピンをピン穴にはめ込むことでパーツ同士がくっつきます。接着剤不要でパーツ同士をくっつけられます。
これは「スナップフィット」と呼ばれる技術で、ガンプラに初めて採用されたのは「1/144 νガンダム(1987年/12月)」です。世界で最初のガンプラである「B.M.C 1/144 ガンダム」から約7年後のことになります。

後7年の発売分まではずーっと、接着剤でパーツ同士をくっつけることになります。
1987年発売分までのキットを作りたい方は接着剤の使用が必須です。ニッパーやカッターナイフなどの道具に加え、接着剤も忘れずに購入しましょう!

 

14 ピンとピン穴

なお、接着剤を使うキットのピンとピン穴はパーツがズレないように位置合わせに使うもので、緩いはめ合わせになっておりピンをピン穴にはめ込んでもパーツがくっつかないようになっています

組立説明書通りに組んで完成

パーツを切り取ってくっつけていけば機体がどんどん出来ていくガンプラの基本は現代と変わりないので、組立説明書通りに組んでいくだけで出来上がります。

16 加工したところ

唯一の注意点として、自分の手元に来てくれたキットは上腕の軸が太すぎて軸受けにはまりませんでした
軸受けの内側をモデラーズナイフの刃先をを立てて削って広げることで、軸受けを軸の太さに合うように加工してはめ込みました。
軸側を削って細くするか、軸受け側を削って広くするかはお好みでOKです。
また、カッターナイフではなくプラモデル用紙やすりで削ってもOKです。削りやすい方、使いやすい方を選んで楽しく制作しましょう

昔のキットなので今のキットよりもはめ込みの精度が甘いです。おそらくこの「B.M.C 1/144 ガンダム」以外にも、旧キット全体がはめ込みの精度が甘いと思われます。
ちょっとした加工が必要になる前提を持って組み立てれば焦ることは無いので、はめ込めない場合はパーツをよく観察して原因を探ると吉です。

③ベストメカコレクション 1/144 ガンダムの造形

17 正面

全長は約13cmです。戦車や航空機のプラモと同じ1/144スケールのリアリティと存在感が、ガンプラを「ロボのプラモ」から「兵器のプラモ」へと押し上げ、1980年代当時のガンプラブームを支えました。

右横。ずんぐりとした厚みがあります。カクカクしたエッジの利いた肩と胴部分が意外にもスタイリッシュさを感じさせます。

21 顔正面

マスクのスリット、ツインアイ、顔横のダクトまで正確に造形されています。凹凸がしっかりしているので、塗装する時にどこがどこだか分からないと困ることは無いです。

22 胴体正面

胴体部分。胸部のダクトフィン、フロントアーマーのVの字も曖昧になることなくハッキリと造形。
腕の情報量が少ないですが、当時のTVアニメの設定に忠実な情報量です。

23 脚正面

脚部分。完全モナカ割りなので合わせ目が激しいですが、40年前のキットなのでこれも味の一つとなっています。
上半身と比べるとエッジが立たない、丸みに富んだ造形で本編の印象に近いです。

24 腕横

マニピュレーターの甲の四角いアーマーは存在しません。

25 胴体横

ガンダムらしい、胸部から腰部へ向けてカクッっと細くなるデザインが再現されています。

後ろ

26 背中後ろ

ランドセルのモールドがきちんと彫り込まれています。バーニアの部分はただの真四角の穴になっており情報量が足りない感じです。

27 足の裏

足の裏は真っ平で造形はありません。造形が無い分接地面が広いので接地力があります。

④ベストメカコレクション 1/144 ガンダムの色分け

44 パケのポーズ

色分けは一切ありません! シールの付属も無いです!
成形色は薄く緑かかった白色です。


今でこそ「組み立てること」が主流なイメージを持たれがちなプラモデルですが、40年前はプラモデルは「自分で作る」「自分で色を塗る」「自分で加工する」、DIY精神に溢れたホビーでした。
色を塗る前提で楽しむホビーなので、ランナーが単色成形で色分けが一切なくても困ることはありません。塗装して隠れてしまうプラスチックの成形色よりも造形の方が大事な時代です


1/60スケールなどの大型キットではランナー数を多く出来るので、その分ランナーごとに色の変更が出来てある程度の色分けが可能です。数千円と当時の物価にしては高価格帯であることも多く、その分技術が盛り込めるので80年代のキットでも色分けがそれなりにされていることがあります。

しかし低価格帯が多い1/144スケールで作中の色再現を正確に行えるようになるのは、価格との兼ね合いもあって2000年代に入ってからといっても過言ではありません。道のりは長いです。

色を塗らなくても作中の色再現が出来るのは、おもちゃ会社やプラモ会社の「より手軽に、技術や道具がなくても誰でも楽しめる高品質なプラモデルで、沢山の人にプラモデルに親しんでほしい」という願いから始まったものです。数十年の不断の努力。素晴らしいです。

⑤ベストメカコレクション 1/144 ガンダムの可動範囲

肩・腕・手

28 肩水平

肩の装甲に干渉するまで、腕は水平まで広げられます。

29 肘70度

前腕部分に干渉するまで、肘は70度ほど曲げられます。

30 肩360度

軸にはめ込む機構なので、肩は360度回転します。

股関節・膝・足

31 股関節前後

股関節は前に軽く、後に結構動きます。

32 膝70度

膝は70度ほど曲がります。

33 足首

足首は下に軽く曲がります。

34 首の可動

首の軸を胴体に挟む機構なので、360度回転します。

 

40年前で最初のキットですが、思いの外可動範囲が広いです。
直立不動状態で飾らなければならないということはありません。腕も膝も70度ほどしっかり曲がりますし顔も好きな方向へ向けられます。足首も多少は下の方へ動くので接地力もそこそこあります。

⑥武器・シールドなどの武装

ビームサーベル

36 ビームサーベル

ビームサーベルが4本付属しています。先が細くない、千歳飴のような造形です。先が細い格好いいビームサーベルが良い人は要加工です。
精度が甘いので持ち手の太さが若干バラバラです太いと手にはまらないことがあるので、その場合はプラモデル用紙やすりなどで少しずつ削って細くする必要があります。

37 ビームサーベル・背中

4本中2本はビーム部分を1cm残して折り、ランドセルにマウント出来るようにします。

38 ビームサーベル納刀

ビームサーベルをランドセルに納刀する場合は接着すると書いてありますが、接着しなくてもミゾにしっかりはまって落ちてくることは無いので接着しなくてOKです
接着してしまうと、ビームサーベルを持っているのにランドセルに2本ビームサーベルが納刀されている状態になってしまいます。

ビームライフル

40 ビームライフル

ビームライフルが1挺付属しています。弾倉の部分のモールド、後部のギザギザなど細かい部分まで造形されています。

シールド

42 ガンダムシールド

作中のイメージ通りのシールドです。裏の情報量は少なめ。
表の十字は端っこまでキッチリと尖っており、現代のキットと遜色ない造形をしています。

⑦レッツポージング!

45 パケのポーズ2

46 パケのポーズ3

48 パケのポーズ5

パッケージと組立説明書にあるポーズ。
各所にエッジが立ったメリハリのある造形で、細かいフィンなどもしっかり存在感があるので、塗装すればかなり格好良く化けるのではないかと思います。

48 ビームサーベル

ビームサーベルを持つガンダム。
昔のキットにしてはかなり頭が小さく、プロポーションが良好です(90年代のキットでも、4頭身しかない可愛いプロポーションのキットが何個もあるんです!)。
カクカクした太めの胴体の存在感が抜群です。

49 ビームサーベル2

片方の股関節と膝を最大限まで曲げて慎重に重心を取れば、膝立ち気味のポーズも取れます。

52 ビームサーベル5

脚に頼らず、シールドに重心を支えてもらえれば斜めのポーズもイケます。

写真では伝わりづらいのですが、股関節・膝・足首がかなり緩いので結構慎重に重心を取っています。
作る際に瞬間接着剤やセロハンテープ・マスキングテープなどで軸を太らせないと、ガシガシ動かすには厳しい緩さです。

スナップフィットのキットと違い、一度接着剤でパーツを組み立ててしまうと分解は出来ません
接着剤でくっつける前にパーツを仮組みして緩くないかを確認し、緩い場合は軸を太らせる加工をしてから接着して組み立てるように気をつけた方がいいです。

53 ビームライフル1

マッシブで格好いいです。色が無いのはこれはこれで、キン消し的な趣があります。

54 ビームライフル2

上の方へ撃つようなポージングも可能。

56 ビームライフル4

ランドセルとシールドの造形がしっかりしているので、後ろ姿もキマっています!

⑧ベストメカコレクション 1/144 ガンダムの総評

58 最後
逆光を受けるガンダム。ジオン軍の人間にはこのような恐ろしい見た目に見えていたに違いない。

 

40年前の世界で最初のガンプラ、いかがでしたでしょうか。

パッケージは現代と変わらない構成
フィンやモールド、顔のスリットなど細かいところまで造形されている
各部はきちんとエッジが立っていてボヤけていない
肩が水平まで上がって膝立ち気味にも出来、可動範囲は意外と広い
TVアニメ劇中のプロポーションを再現しつつ、マッシブで格好いい

接着剤を使用して組み立てるので作るのに時間が少しかかる
軸のはめ合わせの精度が甘く、硬い所と緩い所の差が激しい
成形色が白1色しかないので、色再現をしたければ全塗装必須
可動部の軸が硬くてはめられないor緩くて武器の保持・自立が出来ない場合は加工必須

昔のキットとは思えないくらい良好なところと、昔のキットならではの扱いが難しい所と両方が混在していました。
扱いが難しい所は、昔の技術に思いを馳せたり、プラモ制作の経験値アップに生かせば、楽しい経験になりますよ!

 

80年当時のデザイン的カッチリさを残しつつもエッジが立ったスタイリッシュな造形、
肩が一周回り膝が70度ほど動くそこそこの可動範囲、
思ったよりも大分クオリティが高いキットでした。
パッケージ左面のポーズが巣立ち気味で硬いポーズなのはだいぶ損をしていると思います。本当はもっとガシガシ動きます!

同じ1/144スケールの、ガンプラ30周年のRGガンダム40周年のHGUGガンダムG40と一緒に購入して、歴史と技術の進化を体験してみるとより一層楽しく作れるはずです。

 

ガンプラの歴史はここから始まりました。B.M.Cガンダムを一回作っておけばどんなガンプラを作るにも、ガンプラの歴史と進化が感じられて、よりガンプラの世界を楽しめるようになります!
是非作ってみてください!